オゾン排気について
コロナ処理装置は、一般に大気圧中でコロナ放電をさせるため、処理ステーション内にオゾン、NOxが発生します。これらは人体に有害であり周辺機械にも腐食等の悪影響を与えるため、処理ステーション外部に漏れない対策が必要になります。一般的な処理ステーションは内部の空気を排出する排気ダクト口を装備していますので、オゾン排気用配管を接続し、排気ブロワを設置して、オゾン、NOxを屋外に排出することになります。又、運転中はオゾン排気用ブロワ内部は強酸状態になるため内面耐酸塗装または、ステンレス製ブロワが推奨されます。
※大気圧プラズマ処理装置の場合は、オゾン排気ブロワの代わりに投入したガスを回収するブロワを設置し、屋外に排気することになります。
オゾンの危険性について
オゾンは毒性を有しており0.01~0.02ppm程度でオゾンの臭気を感じ、0.1ppm程度から鼻、のどの刺激、0.2~0.5ppmで視力の低下、暗調整能の低下、眼の刺激、0.4~0.5ppm上部気道の刺激、0.6~0.8ppmで胸痛、せき、肺機能拡散容量の減少、1~2ppmで疲労感、頭痛、頭重、呼吸機能の変化、5~10ppmで呼吸困難、嗜眠性、呼吸増加、15~20ppmで小動物は2時間以内に死亡、肺水腫をきたし、50ppm以上では人は生命の危険が起こるとされています。 オゾンの急性中毒の症状としては、鼻炎、咳そう刺激、気道乾燥、胸部圧迫、頭重、頭痛、めまい、吐き気、疲労感、血圧降下などがあり、ひどい場合には肺水腫や肺出血を招き、さらには心臓機能低下、体温低下、けいれんなど起こして死亡にいたります。
オゾンの許容濃度
作業環境濃度
産業衛生学会許容濃度委員会は、1985年に0.1ppmを労働環境における許容濃度としており、1日8時間、週40時間程度の労働時間中に、肉体的に激しくない労働に従事する場合の暴露濃度の算術平均値がこの値以下であれば、ほとんどすべての労働者に健康上の悪影響が見られないと判断される濃度であるとしています。 暴露濃度とは、呼吸保護具を装着していない状態で、労働者が作業中に吸入する空気中の濃度です。 また15分間の平均暴露濃度の1.5倍を超えないことが望ましいとされています。
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